卒業式の袴で『靴下を履きたい』という沖縄中学校の教員のお話
- 貸衣裳 あらがき
- 3月24日
- 読了時間: 3分
沖縄県で衣裳レンタルを行う私たち「あらがき貸衣裳」は、これまで数多くの卒業式でのお手伝いをさせていただいてきました。その中でも、特に困惑したお話をご紹介させていただきます。 このお話は、先日お迎えした那覇市の中学校の先生とのやりとりです。
わたくしどもの役目
その先生は、卒業式当日の朝、男紋付のお着付けのためにご来店されました。毎年のことながら、式典にふさわしい装いをご提案するのが私たちの役目です。
学校の先生方の装いとなると、学生と違い、華美になり過ぎると親御さんからの印象が良くなくなるもの。また、先生は多くの方々から見られるため、着付けなど間違っているとお客様である先生に恥をかかせてしまいます。
そのため、先生方への衣装の提案やお着付けは細心の注意を払っております。
那覇市の中学校の先生からの衝撃の一言
着付けがほぼ終わったそのとき、先生が少し恥ずかしそうに「靴下を履きたいのですが…」と、ひと言。
正直なところ、男紋付に靴下は本来の礼装マナーから外れるため、通常はご遠慮いただいています。
言葉を選ばずにいうとこの組み合わせは言語道断。
先生の想いにさらに衝撃が,,,
ですが、その理由をお聞きし、私たちは考えを改めました。
この先生は、人生で初めて卒業式を迎える3年生の担任を務められ
またさらには、1年生から3年生まで持ち上がりで担任をされたのも人生で初
そしてその靴下は、顧問を務める部活動の3年生たちが、引退の際にプレゼントしてくれたものだったそうです。

引退する生徒達に対して「卒業式には、これを履こうな!」という約束を、生徒たちと交わしていたそうです。
卒業式が迫って他の担任の先生方に聞いても、袴を着ないという中、
「一緒に3年間過ごしてきた生徒の卒業式という節目に、1人でも良いから」と
卒業生のために袴を選ばれた先生
そして
「袴に靴下はおかしいのはわかっているけど、履きたいんです。ダメですかね?」
とポツリ
その想いの強さと誠実な人柄に、スタッフ一同、胸が熱くなりました。
そういう理由があるなら当店としても、是非とも靴下を履いていただきたい。
衣装において1番大事なものは
「何を着るか」「正く着るか」以上に
「なぜ着るか」
だとわたくしどもは考えます。
用意した足袋を片付け、最幸の思い出が詰まっている靴下を履いてご出発いただきました。
卒業式で袴を、靴下を履いた先生のご感想
どうだったか気になり、衣裳をご返却の際にご感想を伺いました。
「卒業生がすごく喜んでくれました。泣いてくれた生徒もいたし、写真を撮ろうってたくさんの子が来てくれて。まるで有名人みたいでした。過去一のモテ期がきたのかと思いました」と、まるで少年のように照れ笑いされていました。
卒業生の感動はきっと、袴を着たからだけではなく、先生の深い愛情が生徒たちに伝わったからこそだと思います。
私たちは、衣裳を通してそうした想いを形にするお手伝いができることを、心から誇りに思います。
人生の節目である卒業式。その大切な一日にふさわしい衣裳選びや立ち居振る舞いについても、私たちは誠実にサポートさせていただきます。
男紋付・袴のレンタルはもちろん、ヘアメイクや着付けなどもご要望に応じて対応可能です。どうぞ、お気軽にご相談ください。
あなたの節目を彩る

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